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色は匂へど
 

散りぬるを


我が世誰ぞ


常ならむ


有為の奥山


今日越えて
 

浅き夢みじ
 

酔ひもせず
 

咎無くて死す

硬い蕾が開くように鮮やかに匂い立つ。
そこは苦界の入り口。


艶やかに美しく咲き誇る華を手折る罪人は、
容赦なく裏切りをその心に刻む。


一体この世は誰のためにあるのだろう。
二人は此岸を諦め彼岸へと旅立つ。


誠の幸せとは長く続くものではないのか。
無残に引き裂かれた恋人の絆。


迷いながら見つけた道は、
茨を踏むような痛みでその身を貫く。


かつての姐を救う願いが絶たれても、
越えて行かねばならぬ道。


夢か現か。
儚く脆く、頂点を飾る妓もまた安らかな眠りにつく。


確かに繋いだ絆も何もかも、酔いが醒めるように
玻璃の如く砕け散る。


華にいずれの罪、咎があったのだろう。
生きることが果たして罪なのか
―――

江戸幕府公認の若山遊郭、花は咲き散りゆくもの。
華やか着飾った妓は男を天に舞い上がらせる。

しかし妓にとってそこは―――……。

寛政十二年。一人の少女が朱い門をくぐった。

あらすじ

© since2017-2020.03 話題転換P声劇プロジェクト

© since2020.04 - ボイスドラマサークル - ルイは鷹を呼ぶ

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